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今回七番が枢機卿に報告したのは、ハクア達が澪達と戦った所までだ。
今回の魔族の騒動は少なからず色々な国に波紋を広げた。そしてそれは聖国と呼ばれるカリグも例外では無く、枢機卿の時間が取れなかった為報告が今になった。
(フフ~ン。でもハクアちゃん達が今回の闘いで死んじゃわなくて良かった~。あの子達可愛いくて面白いもんね~)
遅れに遅れた報告は、ハクア達が騒動に関わる切っ掛けを事後報告として伝えた様な物だった。だからこそ、全て終わった今となっては枢機卿に取っての驚異となるのは、ハクアのアリスベルに対する影響力の方だった。
「では、報告は以上ですので引き続き白い少女の監視に戻りま~す」
「今は件の国。フープに居るのでしたか?」
「その様で~す。では、私は此れにて~」
枢機卿の部屋から出た七番はドアを閉めると共に、フゥと一息付くと楽しげな足取りで歩き出す。
しかし、そんな七番が不意に後ろに気配を感じて、バッと振り替えるがそこには誰も居らず、勘違いか?と、首を傾げると後ろからいきなり少女の腕が肩越しに現れ、後ろから抱き締められる。
「ひゃっ!」
「ふっふふふ。枢機卿の狗の割には可愛い悲鳴を上げるじゃない?」
後ろから現れた少女は、とても聖国と呼ばれ神官やシスターを育てる国ではあり得ない様な、扇情的な格好をした少女だった。
「あ~。姫様?私~。これからまた直ぐに任務に行かないといけなくて忙しいんですけど~?」
(うう、こんな所で厄介なのに捕まるなんて、ひゃん!)
「ふ~ん。そんな急がなくても良いじゃない。貴女そんな真面目じゃ無いでしょ。わ・た・し・も、白い少女とかって子の事聞きたいな~♪」
(うひゃ~ん。ちょい!そこはそれ以上は~!?)
必死に言い訳する七番の身体に手を這わせ、感触を楽しみながら追い詰める少女。
「あ、あの。ほ、本当にそれ以上は洒落に成らないんですけど~!?何処に手を入れてるですか~」
「ふ~ん。まあ、良いわ。ここ確かに・・ね?それじゃあ私の部屋でゆっくりお話ししましょうか。夜は長いし自分から話したくなる様にタップリ身体に聞いて上げる♪」
(嫌~ん。誰か助けて~!ハクアちゃ~ん!)
女性の声に成らない悲鳴は闇に呑まれ。二人は消えていった。
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