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「あ、あれ?ハクアが居ないよ?」
「は、ハーちゃんが消えちゃいました!?」
「ご、ご主人様?何処ですか?何処ですか?」
え~と、アリシアさん?そんな微妙に泣きそうな声出すの止めて頂けません?修行から逃げる為の行動だから胸が痛いよ!?
私はアリシアの声に地味にダメージを受けながらも何とか気配を殺してゆっくり移動する。
これで心が追い付けない所まで逃げれば良いだけだね。
しかし、そんな事を思っていた一瞬の隙に心が私に急接近してくる。その瞬間、過去何度も経験した体験からヤバイと言う三文字が頭に浮かぶ。
直後パリンッ!と言う、硝子が砕けた様な音と共に私の魔法が砕け散り、そのまま心の持つ木刀に思い切り頭を殴打される。
「ギャース!痛って~!頭が!頭が生卵の様にパカッってなっちゃう~」
「そこまで強くやってないから安心して良い」
「えっ?えっ?何も無い所からご主人様が出てきた?」
「また妙な魔法を作ったな主様?」
「それで、君が今使っていた魔法は何なんだ白亜?」
「ノーコメントで・・・嘘です!言う!言います!ぜひ語らせて下さい!お願いします」
再び振り上げられた木刀の前に私は土下座して説明させて欲しいと願う。
次はきっと中身が出ちゃう。
「え~と、今のは【結界】に光魔法を合わせたオリジナルの光学迷彩魔法。【ステルス】です。って、説明させといて何で頭を押さえている?」
失礼な奴等め。
「そんな物良くできましたね?原理は投影ですか?」
「うんにゃ。それも出来るけど今回のは屈折と迂回でねじ曲げる感じ?」
「そんな物、少し動く度に調整が必要だろう?まさかとは思うがリアルタイムで調整したのか?」
「えっ?だってそうしないと動けないじゃん?」
私の答えに再び頭を押さえる女神共。
失礼じゃないかな君達?
「もう他には無いだろな?隠している物が有るなら先に言っておいてくれないか?」
う~む。ここで嫌だと言ったら木刀でかち割られるんだろうな。経験則的に。
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