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進化を目指せ編 始動
あれからさらに5日経った。
その間も私は狩りの合間にゴブリンの巣脱走計画を進めていた。
〈大分進められましたけどまだ心許ないですね〉
確かにここ数日で状況はかなり整った。
けど、相手の方が多くて強いから、幾らあっても足らないんだよな~。
私は先日捕まえた。大物の猪の骨で作った刺突武器を掌の上で回しながら考えていた。
「ギギ~!」
嬉しそうに声をあげながらゴブゑが抱き付いてくる。今ではすっかりこの状態がデフォルトになっている。
〈ようやく慣れたようですね〉
まあ、これだけ一緒にいれば慣れてくるよ。
そう言いながら私はゴブゑの頭を撫でる。そしてふと思い付いた事を聞いてみる。
二人共進化の為にレベル上げなきゃいけないけど、もし私が敵を倒したら私しか経験値貰えないの?
〈いえ、正確にはゴブゑはマスターの眷属扱いなので、マスターの近くにいれば経験値は同じだけ入ります〉
じゃあ、わざわざ私とゴブゑが譲り合うことは無くて良いんだ?
〈大丈夫です〉
うん、それは良かった。じゃあ、今日もそろそろ帰ろうかな?
そして私達は帰路に着く。巣に帰ると何やらゴブリン達が騒いでいた。
何かあったのか?
〈偵察していたゴブリンが何か見つけたそうです〉
何かって、何?
〈分かりませんね。この辺は人里も遠いので余り人は来ない筈ですが。少し珍しい花等も在るので薬草を探しに来ている可能性も有ります〉
成る程その可能性もあるのか、でも何にしてももし新しく女の人を連れてきたら…。
〈ゴブリンの成長は早いのでさらに戦力が増え、脱出は難しいでしょう〉
予定より早いけどその計画に合わせて私達も逃げよう。
私達は方針を決めて休んだ。
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