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哲平は後悔した。
決して自分の言った事が間違いだったとは
思っていないが、不快な気持ちはぬぐえない。
言われた相手はもっとだろう。
もう、日も暮れかかっている。
湖に来ただけで何もしていない現実。
舞にはこの後、何て言おうか。
後悔の波は哲平の頭のなかで次々に
押し寄せてくる。
ただ、哲平の足だけは、
現状から逃れんが為に休まず歩き続けた。
が、突然、体のバランスを崩し、前のめりに
その場に倒れこんだ。
何かが足に引っかかったのだ。
哲平は足元を見ると、朽ちた木材が転がっていた。
「なんでこんな所に?」
哲平は朽ちた木材を手に起き上がる。
周りをよく見ると、無数の朽ちた木材が、
散乱していた。
じっくり見ているうちに哲平は理解した。
これは、朽ちた民家跡だと。
「人がいたのか・・・」
哲平は、バックからスマホを取り出し、
舞に電話をするがつながらなかった。
「くそっ、いい加減、電源くらい入れろよな!!」
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