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舞は急いで哲平に追いつこうとしたが、見失ってしまった。
方向オンチゆえの、予想できない動きに、ついていけなかった。
と、言いたい所だったが、男の早足に追いつけなかったのが
率直な真相だった。
「あのバカ、ほんとドコよ!!」
辺りが暗くなりだし、慎重になるべく、
周りを、警戒しながら歩いていると、足元に
朽ちた木材が散乱しているのを発見した。
「これって、ひょっとして・・・」
好奇心に火がついた舞は、
朽ちた木材の落ちている場所から、更に奥へ奥へと進んだ。
そして、数分もかからぬ内に見つけたのだ。
昔、ここが村であった証拠を。
舞の目の前に、1件の木造の粗末な平屋が
建っていた。
所々木製のため、やはり朽ちている箇所は多々あるが、
まさしく家だ。
舞は、気持ちを高ぶらせたまま、家に近づいて行った。
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