3

2/7
前へ
/24ページ
次へ
 舞は急いで哲平に追いつこうとしたが、見失ってしまった。  方向オンチゆえの、予想できない動きに、ついていけなかった。  と、言いたい所だったが、男の早足に追いつけなかったのが  率直な真相だった。  「あのバカ、ほんとドコよ!!」  辺りが暗くなりだし、慎重になるべく、  周りを、警戒しながら歩いていると、足元に  朽ちた木材が散乱しているのを発見した。  「これって、ひょっとして・・・」  好奇心に火がついた舞は、  朽ちた木材の落ちている場所から、更に奥へ奥へと進んだ。  そして、数分もかからぬ内に見つけたのだ。  昔、ここが村であった証拠を。  舞の目の前に、1件の木造の粗末な平屋が  建っていた。  所々木製のため、やはり朽ちている箇所は多々あるが、  まさしく家だ。  舞は、気持ちを高ぶらせたまま、家に近づいて行った。  
/24ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加