0人が本棚に入れています
本棚に追加
舞は、家の玄関前にたどり着いた。
玄関前には、家主が作ったであろう、
自家製の菜園が広がっていた。
「やっぱり、あったじゃない!!」
舞はバックにしまったスマホを取りだし、
哲平に連絡しようとして、すぐ手を止めた。
手に持つスマホを見ている内に、
舞の頭に様々な記憶が甦ってきた。
舞が中学の制服を着ながら泣いている。
その背後で、舞の両親が言い争っている。
「舞の撮った、この写真が証拠よ!」
母親の手には、父親と浮気相手の写真が
詰まった舞のスマホ。
大きな荷物を抱えて、
出て行く父親の後ろ姿。
朝から出勤する母親。
スマホに【今夜もコンビニで弁当よろしくね】の文字。
誰もいない部屋。
「・・ママ・・・・誰か・・・・・私を見てよ・・・・」
最初のコメントを投稿しよう!