3

7/7
前へ
/24ページ
次へ
 「とにかく、便利な道具なんです・・・でも・・・」  思わず、うつむく舞。  「でも、どうしたの?」  舞はスマホを握りしめる。  「使いたくないんです・・・   これが両親の離婚の原因だったり、   その、色々あって・・・」  「なんだか大変なのねぇ」  「トヨ、誰かいるのか?」  寝室に、突然、老人が入って来た。  「一郎さん」  予期せぬ人物乱入に、慌てる舞。  「お、お邪魔、してますっ!」  「誰だい、あんた?」  「舞さんっておっしゃるの」  「そ、そうです。あ、あの、私、呪いの湖について   調べてまして・・・」  一郎は、顔をゆがめる。  「困るなぁ、あんた。   ワシは、トヨと静かに暮らしたいだけなのに」  「一郎さん・・・」  「湖はよ、呪われてなんかねえよ、   なんせ、奇跡の湖なんだからよ」
/24ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加