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 夜の森は堪える。  寒さや、気味悪さ、不安に恐怖。  だが、哲平には、それ以上に、  いまだに舞に会えていない事が、一番堪えていた。  哲平は、持って来ていた懐中電灯を手に、ひたすら歩いていた。  ただ、舞にもう一度会うためだけに。  足が悲鳴をあげている。どれ位歩いたろうか?  足元も精神もふらつき掛けた哲平の目の前に、  ふと、見馴れた光景が見えてくる。  真っ暗闇の中、電灯の指す光の先には  確かに見覚えのある・・・    「湖だ・・・」  方向オンチのたまものか、  二人でいた湖に戻ってきたのだった。  だが、舞はいない。  「ハァ・・・ま、そりゃ、そうか・・・」  人一倍行動力のある舞が、じっとして  いられるわけがなかった。  哲平は、湖に近づくと、腰から座り込んだ。  色んな意味で、立っては、いられなかったのだ。  
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