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今西舞はあせっていた。
大学3年にもなる。もう9月、就職活動に動きだす時期だ。
周りの友達の動きも慌しくなってきていた。
だが、舞のあせりは、そこじゃなかった。
自分に存在価値があるのか。それのみだった。
何のために産まれ、何の為に存在するのか?からはじまり、
人が、大なり小なりある程度、時間をかけて考える事柄を、
舞の場合、注目されることが、必要とされる事であり、
それが存在価値だと、早く結論づけてしまったのだ。
注目のされかたも色々あるものだが、
舞は、安易に、ネツトで注目されようと考えた。
そして、ネットサイト「日本の謎と、その伝説を暴く」を立ち上げる。
このサイトのコンセプトに、舞本人が注目される要素は
限りなく小さい。
だが、やると決めたら迷わない、ひたすら突き進む性格が、
あまり意味をなさないサイトを後押しした。
その舞のごり押しに巻き込まれる者も当然出てくる。
角野哲平だ。舞と同じ大学に通う、彼氏・・・
と、本人は思っている。
実際付き合っているのだが、どちらかというと、
付き合わされているといった方が近いだろう。
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