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事実、目の前に 広がる湖に、
車で、舞を連れてきたのも哲平だった。
都心から4時間は車をとばした甲斐はあった。
なにせ、ちゃんとした地図もなく、ネットのウワサ情報で、
無謀なドライブを試みたのだから。
かなりの博打に近かった。が、
その賭けには勝てたようだ。
湖の周り一面は、木々がおおいつくしている。
舞と、哲平は、ウワサの湖に近づいた。
「ほら、本当にあったじゃない!」
哲平は、持っていたバックからデジカメを取り出している。
舞は、哲平に近づくと、彼の耳を引っ張り、
「ちょっと、聞いてんの、哲平?」
「イ、イッて~なぁ・・、聞こえてるよ」
「どうよ、この湖、ねぇ?」
舞は得意げに湖を指差す。
「どうって、何か出そうではあるけどさ」
「ストップ!」
舞は、向きを変え、哲平を指差す。
「何かって、何よ?」
「え、そりゃぁ見えない何かがさぁ・・・」
「何、その曖昧さ、はっきりさせなさいよ!」
「はぁ、また始まったよ」
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