ゆうと君(4さい)

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日曜の午後、妻は買い物に行ってる。 俺はソファーで寝ていた。 「ぱぱー、ゆうと君が泣いてる」 「なんだ、こうた。  ゆうと君を泣かしたのか?」 「泣かさないよ、僕、ゆうと君より、1才お兄ちゃんだから」 「じゃあ、どうしたんだ?」 「ゆうと君、ゆうとママの大切にしてるものを、だまって持ってきちゃって、  壊しちゃったの。  でも、ゆうと君、ゆうとママが怒って怖いから、一人で謝れないって」 確かに、あやまるのって、一人じゃ難しいよな。 大人の俺でも、そう思うんだ。 子供なら、なおさらだな。 よし、ここは一肌ぬいでやるか。 「しょうがないな、パパもついていってやるから、ゆうと君を呼んでおいで。  パパは、外で待ってるぞ」 「おかえり、ゆうと。  どうして、泣いているの?    あら、こうた君にパパまで、いつもゆうとが、お世話になってます。  どうしたんですか?」 「ちょっと、ゆうと君が謝りたい事があるそうなんですよ。  できれば、怒らないでやってください」 「まぁ、そんな事で、わざわざ来てくれたんですか?  すみません」 「ほら、ゆうと君、男の子だろ?しっかりママに謝ろう」 「うん、ママの大事なものを壊して、ごめんなさい、うわぁーん…」 「まぁ、ゆうと、ちゃんとごめんなさい、言えたね。  えらいわ。  大丈夫、ママは怒ってないわよ」 「良かったな、ゆうと君、さあ、ママに返しなさい」 「うん」 ゆうと君は、背負っていたリュックから、何かをとりだした。 「ママのロボット、うごかなくなっちゃったの」 「!?」 「ウィーン……ウィーン……ウィーン……バイ……ブブブ……」 「あっ、ママ、うごいたよ!よかったね!」 俺は、謝るべきだろうか……
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