僕がパパになったわけ

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枕元の携帯がけたたましくなった。 時間だ、飛び起きてすぐにストーブの上のお湯の中にほ乳瓶つっこむ。 「ハイハイ、ミルクでちゅよ。」 まだ手にスッポリおさまる子犬にミルクを与える。 だいぶおっきくなったな。もうちょっとしたら頻繁にあげる必要はなくなるな。 ………て僕は高校生だし男なんですけど。 毎回なげきたくなりながらもこうなってしまう。 あんたはいいママだからだいじょうぶよ! なんて誉められても嬉しくない。 サチ姉もてにおえないなら引き受けなきゃいいのにと思う。 怒ってやりたいのはこんなに小さな子犬を捨てる人間だけど。 子犬たちも寝て僕もまた眠りについた。
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