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スペシャルハイスクール!
「子育てすんだのかパパ?」
派手な着物に袴、ピンクのツンツン頭の少年は蔵元晋作、僕の家の要心棒の息子である。
「すんでないけど今日は交流会だから。」
僕の通う『ドロフィーヌ学園』は星砂家経営の学園だ、キャンバスは奥多摩と横浜にある。
お嬢さん、坊っちゃんが多い学校なので交流会とかパーティーとか行われる。
学園経営者の息子が出ないわけにはいかない。
「うちも今、大騒ぎだぜ。お袋が産気づいたと思ったら昨日はサクラが産気づいて難産でサチさんきてくれなかったらまぢやばかった。」
サクラは蔵元家に代々買われている秋田犬である。
息子ばかりの蔵元家の紅一点の桜を当主のげんさんは息子以上に可愛いがっている。
サチ姉も大変だな、だからってチビスケ達を押し付けられるのはごめんだ。
「朝からやれめでたいて鯛に赤飯だぜ。」
朝からというのがすごい。
「今日は学園長の交代もあるから大変だぜ。」
昴がいないと思ったらそれでか
星砂家の当主でもある鉄之助はもう年だ
息子である昴は後継だが学園内で木刀振り回す不良だ
僕とは乳兄弟だがにていない
「テツジイは一応、表向きは昴を立てるってはんしだけどあいつに勤まらねえからギンさんが引き継ぐんだろうなあ。」
僕が引き継ぐて話もあったらしいが保留になったらしい。
昴がやると口では言ったようだが勤まるか。
「うちの親父も引退して馬育てるらしい。競馬にだすんだとか言ってるけどぜってえうまくいかない......」
「不良息子、ヒトミン号はもううちょっとがんばればでかい稼ぎを持ってくるぞ。」
植え込みからから裁ち鋏とんできた。
「なにが稼ぎだよぼろ負けだったんだろうが。」
頭をさすりながら晋作がいう。
「今回は勝って皐月賞で名前をひびかせる。おっといかんいかん橘にバラを切らせたら全部だめになる。」
元気なじいさんである。裁ち鋏と梯子を抱えて走っていった。
「しーんさくー!」
「やべえレンカ嬢だ。じゃあなパパ。」
晋作が植え込みにひらりと入った瞬間に黒いブレザーに赤いミニスカの少女が走ってくる。
「トシ様、失礼いたしました。『波の館』でサヨ様がお待ちですわ。失礼します。」
植え込みに飛び込むお嬢様......僕の親衛隊てなんでお転婆と変なやつばっかりなんだろう。
サヨがまってたって?
エステ受けろってことか、いらないんだけどなあ。
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