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組の幹部タオに連絡する。
「俺だユンファだ、モール外れの裏カジノで、リャンが銃で殺られた」
「……殺ったのは?」タオの声が低くなる。
いつも笑っている彼とは趣を異にする。
「わからない」
「わかった。検死や葬儀の手配は俺が取り仕切る、お前はラウと一緒にリャンを殺った奴を特定しろ」
「俺達に影響がなさそうな相手だったら、殺ってもいいか?」
「お前ならわかるだろ」タオは素っ気なく返す。
「わかった」通話を終え、ユンファは弟分のラウをカジノ近くの喫茶店に呼び出す。
喫茶店内は、30年の歴史を感じるような白髪白髭のマスターが観葉植物に水をやっている。
マスターの他には、容姿の整った女性店員以外、むさ苦しいひげ面の男達だらけだった。
女性店員がユンファの前に、カチャンとコーヒーを置く。
ユンファは女の美貌にふと見惚れた。
喫茶店内に待つ事10分、スポーツ刈りの男がやってきた。
「兄貴遅れてすまねえ」ラウがユンファに謝る。
「別に構わねえよ。とりあえずメール見たんだろ」
「はい。リャンさんの仇、きっちり見つけて殺りましょう」
「でだ、ラウ。俺にはちっと心当たりがある」
「本当ですか。さすが兄貴だ」
「さすがってなんだよ」
ユンファは悪態をつく。
「ただよお、」ユンファがラウに耳打ちする。「そいつは俺らのファミリーの人間なんだよ」
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