啄む鵲 ノベリスタ用

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2人は人波をかき分け彼らの事務所に向かう。

カジノのある繁華街を抜け、歩いて10分。比較的最近に建てられた５階立てビル。

そこにユンファ達は入ってゆく。

「本当に俺達のファミリーに？」エレベーターの中でラウが訊ねる。

「ああ」

「藤堂組やチャイポンの所じゃ？」

「違うって言ってんだろ」

犯罪都市新岩路では、無数の大小関わらず無法者達の勢力が危ういバランスで成り立っている。

路上では違法薬物が出回り、未成年が売春やマフィアの構成員になっていた。

彼らは、いつまでも止まぬ抗争に明け暮れている。

特に藤堂組、チャイポン一家、そして新参のリーファミリーの三大勢力が新岩路の覇を競っていた。　

リーファミリーは５階立てビルのオーナーであり、５階に居を構えている。