第2部 6章

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夏期講習も折り返し地点を過ぎる頃、蓮からの電話で始まる朝は、シトシトと静かに雨が降っていた。 「来週から寄宿舎生活が始まるから、電話できなくなるかもしれない」 逢えないし、声も聞けないなんて拷問だよって思ったけど 「じゃあメール毎日送ってよ、写真とか動画とか」 「できるだけ、送るから」 一週間は長いよ、毎日蓮の声が聴きたいと心の中で叫ぶ。シトシトと静かに振り続ける雨は全く止む様子もなくて、私は一人黙々と家中を掃除しまくって塾へ向かった。 止まない雨は無いよね
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