第2部 6章

2/21
前へ
/265ページ
次へ
夏休みが始まると同時に、海外のサマーキャンプに向かった蓮から掛かってくるモーニングコールだけを楽しみにしながら、毎日を過ごしていた。 夏期講習は、今までにない混み具合で雰囲気もかなりシビア。講師陣の気迫が日に日に増していたと思う。 桜井先生の講座はまた女子率がはるかに上がったように見え、前列はほとんど女子。クミのお団子ヘアーも教壇の前で見え隠れしていた。 たまたま隣に座っていた男子に 「シャーペンの芯ある?」 小声で囁かれ事務的に手渡すと 「サンキュー」 だけのやり取りを、すっかり教壇から見ていた桜井先生 「そこの二人聞いてんの?」 桜井先生の地雷を踏んだ私達
/265ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2685人が本棚に入れています
本棚に追加