第4章

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運動会でもこんなに早く走った事がないくらい、ゴール目指して走りきる、こんな状況になるのを知っていたか否か、この日に限ってスニーカーを履いていた私は予想していた五分をはるかに上回り、三分くらいでお店の前に着いた。 乱れる呼吸を整えながら、店の前に立ちゆっくり深呼吸してお店の中に入る 「いらっしゃいませー」 相変わらず、おばさんの元気な声で出迎えられ 「お一人さん?」 「連れが......」 そう言いながら店内を見回す私、一番奥の梶谷さんのテーブル。私が初めて三上さんに会ったあの日、私が座っていた席に今日は三上さんが一人で座っているのが見えた おばさんに会釈して三上さんの後ろ姿をみながら、テーブルに向かって歩き出す。気付かれないように少しずつ彼に近づいていく
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