第1章

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第1章

「まだ仕事?今どこ?」 いつもと変わらない口調で彼からの電話 都内のビルが見え始めた新幹線のデッキ ビルやクルマのライトが灯り始めた風景を ため息まじりに見る 「いて欲しい時に いつも居ないよね」 嫌な予感 目を閉じながら 次に出てくる言葉を悟る 最終駅の到着を待ちながら 出口に向かって列ができ デッキに溢れる人達 先頭付近には深瀬部長 「池田さん」 出口に頭を傾けながら、"行くよ" の合図 「俺たち もう終わりだよね?」 徐々に減速されて行く街並みを見ながら 電話越しの相手からの別れ 返す言葉を待たず、一方的に切られた電話 こんな時でも そんな彼は 待ち受け画面に映し出される そんな携帯を強く握りしめ、乗客を掻き分けて座席に戻る。 荷物をまとめて 深瀬部長の後を追う
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