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雫は勿論、流星にとっても正に『それ』である。宝生達が『極道』だと言うことが、どうしても『容認』出来ない。
宝生達が悪いわけではない。それはちゃんとわかっている、わかっているけれど………。やっぱり『頭で理解する』のと『心を納得させる』のは別物だから。
「………流星。何で流星は私にここまでしてくれるの?『幼馴染み』って言っても、私達が『ルイスビル』から帰国した後………つまり小学校の途中からでしょ?なのに、何で?」
雫は唐突にそう切り出した。いや、唐突ではない、以前からずっと聞きたかったことだ。雫と流星の間に『恋愛感情』が存在していればわかるが、そうでないし『友情』にしては『行き過ぎ』なのだろう。
「………俺にとって、シズが唯一『綺麗なもの』だったから。シズに初めて逢った時からずっと、シズは………シズだけは『綺麗なまま』だったからだ。」
流星の家庭は一応『裕福な一般家庭』だが、親類縁者が多く、それ故に『複雑』だった。多くの『利潤』や『思惑』が絡み、各々の主張が噛み合わず『平行線』を辿る。
そんな『身勝手な大人達の醜い言い争い』を、幼い頃から近くで見続けてきた結果。
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