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―昼休み、裏庭―
「………あのさ、シズ。〝この世の終わり〟みたいな顔すんなよ、飯が不味くなる。」
朝の臨時〝全校集会〟以来、ずっと憂鬱な雰囲気を醸し出している雫に、そう苦言を呈する男子生徒。
「………いいよね、流星は。所詮、他人事だから。こっちの身にもなってよ、マジ憂鬱なのに………。」
「んなこと言っても、決まったもんはしょうがないだろ?大体『あの生徒会』に逆らえるわけないじゃん。」
雫の幼馴染み『須藤 流星』。同じ一年だが、隣の六組。体育だけは二組合同なので、それ以外は一緒にならない。
けれど。休み時間や、昼休みなどは一緒にいることが多い。二人とも、そこそこ人気があるので嫉妬されることもある。
雫は学生寮住まいだが、流星は自宅から通っている。と言うのも、雫の両親は彼女が幼い頃『事故』に遭い、亡くなった。
その後、雫は叔母夫婦に引き取られた。叔母夫婦は優しく雫に愛情を注いでくれた。その分、雫は叔母夫婦に『負担を掛けたくない』と思っているようで、遠慮しているのだった。
「………そう言や、相田と上條は?」
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