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『ぽつり』と雫は生徒会補佐業務(と言うより宝生)への『不満』を漏らした。
「でも、雫は神城先輩に教えてもらってたんでしょ?神城先輩、雫にだけ優しいもんね。野々宮先輩も教え方上手だったし。」
「それを言うなら、木葉先輩も優しかったよ。色々、気遣ってくれたしさ。」
何の気なしに言った月乃の言葉に、二人は顔を見合わせると月乃に詰め寄った。
「ちょっと、月乃。今の何?いつの間に宮内先輩を、名前呼びするようになったの?」
雫は神城を未だに『クロ兄』と呼んではいるものの、他の生徒会メンバーは全員が名字に『先輩』付けだ(宝生は除外)。
柚葉もほぼ同じである。と言うより、彼氏持ちである柚葉は、工藤以外の男は全員が名字呼びである(流星は例外)。
「そーゆーんじゃなくて。木葉先輩が『宮内って言いにくいでしょ?〝木葉〟でいいから』って言ってくれて。私も何となく『木葉』っていう字面の方が可愛いかな、って。」
そこまではいい、いいのだが………………
「ほら。木葉先輩って、ちっちゃくて可愛いし!」
と、月乃は言い放った。雫と柚葉は心中で宮内に『合掌』せずにはいられなかった。
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