0人が本棚に入れています
本棚に追加
先生は、寂しそうにお茶を飲む。
「私は相談されるほど頭の良い人間ではないよ。」
「ご冗談を。」
「ご冗談ではないさ。」
先生は静かに笑った。
「それで?どういったことを?」
僕ははっきりと、そしてゆっくりこういった。
「この一年の事です。連続してこの街にあることが起っているのですが。僕には答えがわからないんです。それの…
ヒントをください。」
先生は寂しい笑みを崩し、いつもの顔で僕を見つめる。
「君がそんなことを言うのは珍しいね。」
「いつも先生に聞いているばかりじゃないですか?」
「今日のは少し違うんだろ?}
まるで、全部わかっているような言い回し。
「そうですね。少し違うものです。」
フゥと言って体の中の白い息を追い出し先生に語る。
「先生は、幽霊とかって信じますか?」
「見たことはないけど。いるんだったら見てみたいって程度だよ。」
「好奇心旺盛ですね。」
「臆病なんだよ。」
僕はなぜ先生が臆病といったかわからなかった。しかし、さしたる疑問も持たず僕は話を進めた。
「この町で起きてるあることというのは。」
少しの沈黙
「連続殺人です。」
お茶を手に取り一口すする。
最初のコメントを投稿しよう!