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最初に少しの苦みが顔を出し、それは徐々に甘味に代わっていった。やはりお茶はおいしい。
「連続殺人ということは何人か殺されているわけですが、どれくらいだと思います?」
先生は笑って答える。
「分からないね。」
「およそ20。」
すぐ答えるが、先生の顔は変わらない。
「そんなにも死んでいるんだ。意外だね。」
「何が意外なんですか?」
「何って、こんなにも恨みを持てるのかってことだよ。」
「そうですか。」
「それで、その数は異常だけど何が幽霊と関係あるんだい?」
「被害者の殺され方です。」
僕はある手帳を取り出しそれを先生に見せる。
「友人がまとめてくれたものなんですが、ここを見てください。」
僕が開いたページには一枚の写真が貼ってあった。
「これは、殺害された当時の現場の様子です。被害者は、このような感じで遺体となっていました。」
「やはりね。」
その言葉は、僕の推測お肯定する言葉だった。
やはり
「僕が知りたいのは一つだけです。先生。」
そう言って先生と向き合うと、先生はただただニヤニヤしていた。
「先生が知っている事を話してください。」
先生の答えは
「だめだ。」
だった。
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