第十六章 弥勒

10/22
前へ
/460ページ
次へ
 俺が部屋に入ると、やや口論は納まった。 「秀児、この方はどなた?」 「ここでシェアハウスしている、氷花 護浩さんです。K商事の社員です」  K商事と聞いて、やや怯んでいた。有名な会社で良かった。 「秀児の親です。秀児がいつもお世話になっております。 K商事で何のお仕事をされているのですか?」 「企画課です。主に営業に企画を提供します」  岩崎の両親は、岩崎に会社員になって欲しかったらしい。 それが、本人はかなりの人見知りがあり、又、話が下手で面接は全て落ちた。  俺がK商事の名刺を出すと、岩崎の両親はじっと名刺を見ていた。
/460ページ

最初のコメントを投稿しよう!

649人が本棚に入れています
本棚に追加