第一章 人食いの箱

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「氷花君は、見た目は綺麗だけど、一緒にいると、その姿なんて関係がなくなる。 中身で勝負できる、いい男なのにね」  菊池所長は、やたら褒めてくれた。 「そうね。姿がいい事は忘れてしまうよね。……中身とのギャップが凄くてね」  よく言われているが、俺にはその意味は分からない。 何人もの彼女にも、残念を通り越して悔しいと言われた。 俺の中身は、彼女達にとっては、受け入れられないものだったらしい。 「本社でも頑張ってね」  皆に見送られてしまった。
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