第一章 人食いの箱

13/29
前へ
/460ページ
次へ
 本社に行ってみると、そこはオフィス街にあるビルであった。 ここに、二千人が働いているという。 二千人といえば、俺が担当していた地区の人口よりも多い。  中に入ると受付があり、改札のようなものが設置されていた。 改札は、首に下げた社員証で通過できた。  エレベータで、呼び出されていた階のボタンを押そうとすると階がない。 間違えたのかと、外に出て確認すると、行く階によってエレベータが分れていた。  エレベータを選び直して乗り込むと、他の階で乗ってきた人に、 じろじろと見られていた。 もしかして、田舎臭いのであろうか。 エレベータの鏡で、自分の姿をチェックしてしまった。 スーツを着ているが、これは営業ではいつも着ているので、特にいつもとは変わらない。
/460ページ

最初のコメントを投稿しよう!

649人が本棚に入れています
本棚に追加