第一章 人食いの箱

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 俺の席の横には、ミーティングルームがあった。 部屋が狭いので、話をする場合は、ミーティングルームに籠るらしい。  川越に案内されてミーティングルームに入って、少し待たされる間に、 やっと俺は気が付いた。  ここは、営業ではない。 しかも、社長室の隣など、まるで秘書室のようであった。  ミーティングルームのドアが開くと、川越が顔だけ部屋に入れてきた。 「待たせて、ごめん。まだ資料を用意していなくてね。コーヒーでいいかな」  上司に、コーヒーを淹れさせるわけにもいかないので、 急いで部屋から出ると給湯室に入った。  給湯室には、かなり本格的なコーヒーのセットがあった。 やはり、ここは秘書室ではなかったのだろうか。
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