第一章 人食いの箱

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「ここはね、社長付企画課。 秘書室を横取りしたので、秘書課には目の敵にされているのよね」  秘書課は、社長室の物置だった場所を改造して部屋にしていた。  企画課は三人だったところに、俺が入ってきた状態であった。 先ほどの男性が、室長で川越、三十六歳。 川越は、社長のアドバイサーをしていたというが、素性も家族も経歴も不明の人間であった。 真面目なのか、ズボラなのかも、それさえも不明の存在だという。  俺にコーヒーを淹れさせたのが、淡谷(あわや)元秘書課の女性で、 かなり美人であるが、凄く怖い。
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