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「こちらの氷花さんの方が、秀児よりも役者に見える。秀児、家に戻って来なさい。
田舎だけど会社を紹介するから」
岩崎は、下を向いていたが、ゆっくりと顔を上げた。
「もう少し、時間をください。ちゃんと、人と話せるように、なりたいのです」
緊張しなければ、岩崎はちゃんと話せる。
それに、裏方でも文句を言わず真剣する人間で、信用ができる。
「秀児、そういうのは慣れだから」
あまり、親子の喧嘩に顔を突っ込んではいけない。
俺が部屋に帰ろうとすると、岩崎が腕を掴んでいた。
「氷花、待って。俺の劇、観に来てくれるよね」
前回は観られずに帰った。
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