第十六章 弥勒

13/22
前へ
/460ページ
次へ
「父さん、母さん。氷花さんは、この姿でIQが二百を超すのです。 大学も一流出身で凄くて、大学院からも誘われていました。でも、自分の道を行っています」  野菜が好きで、田舎で就職しただけだ。 K商事に就職したのは、そんな田舎中の田舎に営業所を持っていたためだ。 凄い理由があるわけではない。 兄のように農業試験場も考えたが、どうにも、ミミズやダンゴムシが苦手だった。 俺は、昆虫の類も全くダメであった。  だから、機械に進んでいた。でも、機械では自分の限界が見えた。  俺の脳は、好きな事にしか動かない。 「岩崎、俺はいいからさ」  部屋に戻らせて欲しい。 でも、岩崎が俺を見つめていた。
/460ページ

最初のコメントを投稿しよう!

649人が本棚に入れています
本棚に追加