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「氷花、どうして大学院に進まなかったの?」
先ほど、岩崎もそんな事を言っていた。でも、それは慶松だって同じだろう。
「災害の前に、人は無力だよね。その無力さを機械では補えない」
俺の場合は、研究をして、知識を増やしていっても、その先には何も無かった。
慶松が俺が寝転んでいるベッドに来て、上から俺を覗き込んでいた。
「でも、氷花は目の前の人を助ける」
今は、岩崎をどうするかであった。
「まず、岩崎の役者としての素質を見たいよね」
舞台を見に行こう。
分かっている事は、岩崎が家事はパーフェクトであるということ。
それと、岩崎のボディガードの素質は凄い。人を守るという行為を、岩崎は迷いなくしていた。
後、あまり人と接していい思い出ない俺にとって、数少ない、
一緒に暮らしたい人物であった。
「……俺、岩崎と暮らしていたい」
岩崎は、俺に帰れる場所を提供してくれる。
しかも快適な場所で、安心して眠る事ができる。
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