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「しょうがない」
岩崎の父親が折れてくれた。
「秀児、もう少しだけだからな!」
岩崎が何かをしたいと言ったのは初めてで、父親は少し応援したくなったという。
「ありがとうございます」
岩崎が、丁寧に頭を下げていた。
「それでは、秘蔵の野菜鍋を出しましょうかね」
慶松がげんなりしていた。
俺が夕食を作ると、野菜ばかりなので飽きているのだろう。
ビールを飲んでしまったので、岩崎の両親は今日はここに泊まり、早朝帰るという。
「岩崎、俺の部屋で寝ていいよ。俺、慶松の仕事部屋で眠るから」
「いや、俺、やっぱりリビングで眠りますので大丈夫ですよ」
俺が、慶松の部屋に行くと言ったせいなのかもしれない。
リビングで寝てもいいが、この家は部屋を広く取っているせいなのか、リビングが狭い。
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