649人が本棚に入れています
本棚に追加
「作るよりも、食べる方が好きなのです」
「でも、その割には、料理をしてくれる彼女がいなかったよね。阿部は結婚するというのにね」
俺は、千葉に近寄ると、里芋の味見をする。
ホクホクで、何も付けなくても十分においしい。
こうやって、野菜を毎日食べていたかった。野菜がおいしいと、幸せな気分になる。
千葉が、俺に皿を差し出して、好きなだけ食べろと俺を手で払う。
横から箸を出されていると、邪魔なのであろう。
「ありがとうございます。いただきます」
「……全く、氷花に料理を狙われると、落ち着いて食べられない」
千葉には、よく食べ物を貰っている。
最初のコメントを投稿しよう!