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「で、氷花は、又、彼女がいないの?」
千葉にもよく彼女を紹介されるが、最近は断っていた。
出会った数よりも、去ってゆく人数の方が多い気さえしてきたのだ。
「ギャップが激しいと、皆、去ってゆきます」
和室で卓袱台のようなテーブルの上には、様々な野菜の天婦羅がやってきた。
この店は、何の野菜なのか、山菜なのかも、さっぱり分からない揚げ物を出す。
それを、そのままか僅かに塩で食するのが、俺の楽しみであった。
「要は振られているの?」
「そうです」
何故か、皆で納得している。
「……氷花君は、その、まあ容姿がね、ちょっと凄いからねえ」
菊池所長が、そばを食べていた。
ここの山菜そばも、かなりいける。
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