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虚無の淵への碑文
虚無の中で
虚無のぬかるみに手足を捉われ
引きずり込まれた者達
虚無の淵に堕ちて
もがいて、抗って
手足をばたつかせて
・・・やがて疲れ果て
虚無の淵の底の底に
静かに堕ちて行き
見えなくなって
そのまま二度と
永遠に、
戻る事の無い者達
彼らはどこに行ったのだろう?
どこに行くのだろう?
虚無の底の底の更に底には何があるのだろう?
誰も知らない
誰も何も知らない
ただ虚無があって
後から後から誰かが堕ちて行き、消え去り
悲しみや、怒りや、諍いや、絶望が累積して行き
その中で虚無が増幅して行き
そしてまた誰かが堕ちて行く・・・
彼らは堕ちた瞬間
そして今、
どんな絶望と祈りを続けるのだろうか。
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