あのとき・・・

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あのとき・・・

あの時君が泣いていたのかどうか僕にはよく分からない 僕はその時、君の顔を見ていなかった ただ幾つもの面影が 君を取り巻く景色の中で、深く悲しげに 僕を見詰めていた ・・・僕は何も見る事が出来なかった たくさんの時間が浪費され たくさんの昼と夜が風に吹かれ たくさんの言葉が心の隙間で迷い たくさんの記憶が通り過ぎて行った 誓いあった約束 見つめていた街並みの景色 永遠を探した日々。 一つ一つの何気ない言葉が 一つ一つの何気ない仕草が 永遠を刻んでいたあの時。 今すべてが 疲れた顔をして、深い眠りについていた 僕には二度と彼らの目を覚ます事は出来ない 君は、彼らの目を覚ます魔法の言葉を 何一つ残さないまま 彼らを僕の心の隙間の中に 置いて行ってしまった。 辿り続け、踏み間違い、踏み迷い、見失い 人波に呑まれ、流されるまま 見知らぬ景色の中で はぐれたまま 君は今、どこにいるんだろう? 最後に君を見た時 君が泣いていたのかどうか、 僕にはよく思い出せなかった 僕はその時君の顔を見ていなかった もう二度と見る事の無い 君の、その顔を
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