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そうして、どうにか共にお茶をするまでこぎつけた。
ここまで対象と関わってみて、どうやら対象は想像していたよりも大分大人しい性格であると判断した。
その証拠に、
『僕はアメリカ人で、ふらふらと旅をするのが趣味なんです。親にもこの放浪癖には呆れられているんですよ。君は見た限りではロシアの方ですよね?』
「はい。」
『ご職業は何を?』
「バレエダンサーをしています。」
この通り、完全に受け身である。
この調子ならば、そう思いながら対象と同じタイミングでドーナッツに口を付け、缶コーヒーのプルタブを開けた。
徐々に対象に近づけば良い。彼の心に入り込めば、思わずフフッと声が漏れ、対象と目を合わせてもう一度微笑み直した。
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