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優しそうな風貌をした黒髪の男性は普段からシックな装いを好み、白いシャツの上にズボンとお揃いの黒色の上着といった出で立ちをしている海斗。 そしてもう一人の茶髪の男性は動きやすい服が一番という考えで、Tシャツの上にカーキ色のジャンパーを羽織り、下はジーパンといった格好をしている剣斗。 この二人は見た目だけでなく、性格も全く違っていた。 海斗は真面目で面倒見が良く、困っている人を見かけると助けずにはいられない性格である。 そのためお金にならないような依頼も引き受け、よく剣斗に文句を言われていた。 一方の剣斗は小さいことは気にしない、大雑把な性格である。 海斗同様、親しみやすい性格をしているものの、茶髪にピアスといった見た目、そして何より口が悪いために誤解されることが多く、それが剣斗の悩みの種になっていた。 「それよりおっさん、またサボりか?」 「何だ?」 これ程似ていない双子も珍しいよなあと思いつつお茶を飲んでいた敦士は、剣斗の問いかけに驚いたように振り返った。 「何だ?じゃねえよ。 仕事はどうしたんだって聞いてんだよ。」 「仕事? 仕事ならやってるだろ? ここで聞き込みってやつを。」 「聞き込みって、おっさん寝てただけだろ……。」 のんびりとした口調で返ってきた敦士の言葉に、剣斗は話にならないというように首を横に振った。     
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