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季節は夏の終わり。
世間様の夏季長期連休が終わり、カフェ兼アンティークショップであるこのAvec-toi(アヴェク-トワ)の賑わいも落ち着きを取り戻した頃。
俺、英優一は、オーナーである神条雪乃の提案で、2号店へと数ヶ月振りに赴いた。
(――いや、あれはもう提案ってより強制…命令に近かったよな)
眉間に皺を寄せ、溜息を一つ。
(大体、神条さんの思い付きはいつも突拍子も無くて困る。しかも他のメンバーには他言無用って……、可哀想に……)
1号店に残してきた他の仲間達を想い、心中でひっそりと合掌した。
(とりあえず、俺はこっちに集中しないとな)
車から降りて店へと向かいながら、事前に預っていた鍵を鞄から取り出す。
そして慣れない扉の前に立ち、鍵穴にソレを差し込もうとした時だ…――
(あれ?…開いてる……?)
腕時計をチラリ…。
開店時間までまだ30分はある。
(うちの店だと時間ギリギリに駆け込んでくる奴もいるってのに…)
榊さんの指導が行き届いている証拠だろう。
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