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「いやぁ……噂以上に美人な方だったんで、見惚れてしまって」
(噂……)
ココで俺の事を話す人間は限られている。
「ああ…なるほど。それは余計な衝撃を与えた様で申し訳ない」
敢えて否定はせず軽く冗談で返す。
(榊さんはプライベートなことを一々口にはしないだろうから、津田と高屋だな。一体何を吹き込んでくれたんだか…)
俺の切り返しに、篤見はどこか含みのある笑みを零した。
「さすが、慣れてるって感じですか。あの人が気にかける訳が分かるような気がします」
「……あの人?」
「榊店長ですよ。たまに電話で英って名前を口にされてたんで、どんな人かなーと、ずっと気になってたんです」
「そうなのか。店長同士、色々と話す事が多いからなぁ」
「まあ、そうでしょうね…。ところで、どうして今日は此方に?」
「ああ、それは…――」
俺は神条さんの指示で店長交換指導をすることになった旨を説明した。
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