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幸人『(多分今までのおれと夏芽さんのやり取りを知っている生徒は何故立花幸人はここまでして名字呼びにこだわるのだろうと疑問に思うだろう。答えは単純明快、顔を見ると頭が真っ白になるからだ)』
幸人『(別におれがあがり症という訳ではない。しかし夏芽さんの可愛く慈愛に溢れた顔を見るとたちまち頭の血流の流れは加速し、何も考えられなくなりつい名字で呼んでしまうのだ)』
幸人『(今からでも名前で呼べば恋人は無理でももしかしたら暇な時話すくらいの先輩後輩の仲にはなれるかもしれん)』
幸人『(しかし1ヶ月も嫌がらせのように名字で呼び続けておいて、今更態度を変えたところで夏芽さんは白々しく感じるだろう。徐々に印象を良くしようにも彼女は三年生だ。秋の文化祭には部活を引退する身、あまりに時間は残されていなかった)』
幸人『というか、なんでおれは未だに新聞部に残っているんだ?』
幸人『(もはや勝負あった。今更軌道修正は望めない。タイムマシンがあれば何とか出来たかもしれんが、この世界はSFではないからそれも望めない)』
幸人『(もう大人しくおれも新聞部を去った方が夏芽さんも喜ぶのではないか?それくらいしか夏芽さんにしてやれないのであれば、それで……)
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