私を名字で呼ばないで!

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幸人『……でもまあ、このままじゃいけないよなぁ』 雅也『名字呼びのことか?』 幸人『というか根本的な話おれ夏芽さんに嫌われている訳じゃん?最初の段階で下の名前で呼べば修正は出来たかもしれんが、今となってはもう手遅れだ』 幸人『だから夏芽さんの為……というよりこれ以上傷付きたくないから自分の為に新聞部を辞めようかなって思ってな』 雅也『……まあそこは幸人の自由だけど、もうちょい様子見ても良いと思うよ』 幸人『この1ヶ月で十分様子は見れたと思うが?』 雅也『でもさ、端から見ればお前たち二人も仲良さそうだぞ?』 幸人『さっきまで散々嫌われているって言っていた癖にか?』 雅也『それは夏芽さんの言葉を形通り信じればね。だけど夏芽さんが幸人の話をする時満更でもないって顔してたぜ?』 幸人『……意外だな。夏芽さんおれの事言葉にすらしたくないほど嫌いだと思ってた』 雅也『そんなに嫌悪してたらあんなに熱心に自分の読んでいる本の話なんかしないよ』 雅也『それにさ、あんなに熱心に自分のこと話す相手お前くらいなんだぜ幸人』 幸人『いや、いやいや、冗談はやめてくれよ雅也。おれがそこまで心許されている訳無いだろ?自慢じゃないが、おれは新聞部の中で一番夏芽さんに嫌われている自信はある』 雅也『それは俺も知ってる。だけどあの人って基本的には人に気使って愛想よく話聞いてくれる人なんだけど、少なくとも俺は夏芽さんに自分の話をされたことがない』 幸人『そ、そんなことはないだろうっ。おれですら良く分からない恋愛小説の話をされるのに……あっ』 雅也『だからさっきから言っているだろう?おれですらではなく、お前くらいだと』
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