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そんな状況に加え、唇を噛みしめ、ソファに爪を立て、必死で声を殺している玲子の媚態が、私の興奮を爆発的に増幅させた。年甲斐もなく、私は毎回、あっと言う間に果てた。
しかし、深みにはまるほど、必然的に妻の存在が疎ましくなってきた。妻さえいなければ、私は玲子と何の遠慮もなくこの家での生活を楽しむことができる。誰に気兼ねすることもなく、玲子と甘く激しく溶け合った時間を共有できる。密やかな危険を楽しむレベルの遙か先にある快楽。それを知りたい。まだ快楽に狂う余地が残されているのなら、とことん狂ってみたかった。
そう、妻さえいなければ。
私は、最初はその思いを抱いた自分に恐怖した。本当に気が狂ったのではないかとさえ思った。しかし、時が過ぎれば過ぎるほど、玲子への想いは揺るぎがたい巨大なものになっていき、やがて私の恐怖心を覆い隠してしまったのである。
ある夜、密やかな、だが濃密な情交の後、汗でぬめった玲子の肌を、私は指先でなぞっていた。産毛ひとつない絹のような肌が、私の指先に微かな摩擦感を与えた。
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