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「…今すぐ来るそうだ」
「…西堂さんですか?」
「ああ…」
西堂と電話をしていたのは、現在セオステロスの末端組員を抑圧しているバスターだった
1stバスター刑部時道は、長い銀髪を靡かせながら丸眼鏡を持ち上げ言った
「こちらに接触するとは…やられたな」
隣にいるのは4thバスターの横尾高志。顎髭を蓄えた茶髪の男だった
「…こりゃしてやられましたね…今頃湯之浦さんブチ切れてそうすね」
二人が目にした光景は、なんと現在掃討中のクラックアップルのリーダーの宇和島、そして幹部ら数人がセオステロスの組員と密談している所だった
「…セオステロスとクラックアップル…もし手を組めばかつてない脅威だ。宇和島はこれを狙っていたのか…」
「ありえますね…」
動向を追っていると一行はワゴンに乗り込もうとしていた
「…まさかセオスのトップに会いに行くんじゃ…」
「…夕凪シュリか…」
その組み合わせを考え、刑部は手のひらがジンワリと熱を帯びていた
「行くぞ!」
二人も車に乗り込み後を追った
「早くしろ西堂…手遅れになるぞ」
現在小隊編成しかしていない刑部と横尾の部隊は全員でも十数名しかいなかった
西堂に部隊の招集を頼んだが、ヘリで飛ばしてもかなりの時間を労す距離だ。あまり期待は出来ない
車を追って行くと、一行を乗せた車が急ブレーキをかけ止まった
「…何だ?」
車の運転手は怒号を上げている
よく見ると、その前方に二人の若者が立っていた
「…ギリギリもいいとこだぜ。なあ?」
「…何で俺まで」
「…西堂のご指名だ」
車の前に陣取っていたのは
小真知と深澤だった
「…林檎狩り、やるとしますか」
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