雛村 小真知

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そう言いながら屈託無く笑う彼女は従業員からも客からも人気がある華の大学一回生で、容姿もかなり端麗である 「翔子ちゃんももう2年かぁ。すっかりベテランだなぁ」 「全然そんなことないですけどね!!まだまだわからないことだらけですよ」 謙遜する控え目な性格も、人気が出る秘訣である 「まあ明日その子が来てからまた説明するよ。今日はもう帰りな」 「はぁい。お疲れ様です!」 「あ、途中まで送るわ。最近何かと物騒だしな」 「ありがとうございます!」 「んじゃ店長、また明日」 「おう、頼んだぞ!お疲れ翔子ちゃん」 「お疲れ様でーす!」 時刻は午後21時を回っている 外はすっかり暗くなり、月明かりが夜道を照らしていた 「新人さんてどんな人ですかね?」 「うーん。まあ真面目だったらいいけどなぁ」 「ヤンキーだったらどうしますか?」 「ちょっと嫌だな」 そんなやりとりをダラダラと交わす二人 するとーーーその遠くの方で、数人の人影が固まって動くのが見えた (ん…?) (なんだ…あいつら…) 夜だった為おぼろげにしか見えなかったが、一人は夏なのに黒いコートを羽織っているように見えた 「今の人達、なんだか怪しいですね」 「うん。なんかな」 「あっ、ここで大丈夫です。ありがとうございます!また明日!」 「ん?お、おう、もう着いてたんか。お疲れ、また明日な」 大きく手を振って走り去る翔子 手を振って返した小真知だが、面持ちは何やら神妙だった (今の奴等…もしかして…) 小さな疑念を抱いたまま、小真知は帰路に着いたーーー
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