神は死んだ

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 俺はニートだ。  何が悪い。  努力が足りないとか言うが、そんなことはない。  社会が悪い。  才能はあったのに、よってたかって嫉妬した凡人共に嫌がらせをされて俺は潰された。 それ以来、俺は二階に引きこもって、アニメの批評、政治家の弾劾と大忙しだ。  かちゃかちゃ、「あいつはハニートラップに日掛かった売国奴だ」と愚民共に真実を告げていると何やら音が近付いてくる。 「なんだ」  俺が窓に近付いた瞬間、ダンプがツッコンできた。  次に気がつくと俺は何もない空間にいた。 「ここは?」 「あの~」  可愛い声に振り返るとそこには超絶美少女がいた。 「あああああっあなたは」  久しぶりしゃべったのでどもってしまった。 「私は神です」 「神?」 「はい。実は手違いであなたは本来死ぬはずはなかったのですが、死んでしまいました」 「手違い」 「まことにすいません。ですがお詫びと言っては何ですが、あなたを異世界に転生させてあげます。その際にチート能力も付加してあげます。それで人生を謳歌できますよ。ハーレムでもなんでも思いのまま」  ははっ俺がよく読んで批評していたネット小説そのもの、異世界転生きたー。 「質問なのですが、俺が死んだのは手違いなのですね」 「はい」 「つまり俺が死ぬも生きるも神によって定められているということなのですね」 「はい。本来もっと生きるはずでした」  美少女は超絶笑顔で言う。 「それでどんなチート能力が欲しいですか」 「ならお前を殺せる力をくれ」 「はい、了承しました。私を殺せる力を授けます」  美少女は機械的に俺の要望をリピートした、そして何をしてしまったのか気付いたようだ。 「えっ」 「くそーー、なら俺が虐められて引きこもる人生もお前に決められていたのかっーーー」  俺は数年にわたって溜まった鬱憤を怒りを全て目の前に美少女にぶつけた。  そして神は死んだ。
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