第三話 ストライッキ

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第三話 ストライッキ

20XX年 日本社会に蔓延していた格差は徐々に広がり断層というほどになっていた。 ある日の労使交渉 「我々はベースアップを断固たる決意で臨みます」  労働者側の代償が目を血走り悲壮な表情で役員達に訴える。 「へ~それで何するの?」  役員の一人は鼻毛を抜き取りながら答える。  もうこんな態度が許されるほどに格差は開いていた。  労働者の代表はその態度に血管が浮き出るほどに怒りが湧いたが、呑み込む。  ここで怒れるような力関係では無いのだ、ここは我慢して一銭でもいいからベースアップを 仲間の為家族の為にもぎ取らなくては成らないのだ。  家で腹を空かせて待つ子供の為、妻の為、男は我慢をする。 「我々は こうなったらすとらいいっきも辞さない」  そうそれは怒りを抑え緊張のあまりに?んだだけだった。 「すとら、いっき。何それ君、一揆でも起こすのかね。  君は時代錯誤な人間だと思っていたが、江戸時代からきたのかね。  如何に私でも江戸時代の農民とは交渉できないな~」  役員にとっては?んだ下っ端を嘲笑しただけのつもりだった。  だが、この一言が労働者側の糸をぷちんと切ってしまった。  日本人は上に対して従順である。  我慢して我慢して不平を言わない。  だがその我慢の許容量も無限では無い。  長く日本を支配した上流階級はそれを失念していた。  日本人の本性は戦闘民族なのである。 「そうだ一揆だよ。  一揆をおこしてやらあ」  労働者の代表はその場にあったマイクを掴んで立ち上がると役員の脳天にぶちかました。  ぷしゅ~頭蓋が割れ役員はその場で絶命した。 「一揆じゃ一」  この掛け声の下、労働者側は狂ったように暴れ回り会社にいた役員を全て  嬲り殺しにし、その首を正門に晒した。  これが後に日本中に吹き荒れる 平成一揆、通称 ストライッキの始まりであった。
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