ヌーヴェルエールのいまむかし

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ヌーヴェルエールのいまむかし

 寿命がある以上、生涯に食事をする回数は限られています。どうせならしあわせに食べたい。欲にまみれ贅をつくすのではありません。「食傷」すると元も子もない。存分に楽しめず、文字通り「傷」つきます。おいしいのは心身ともにすこやかでいてこそ。楽しいのも同じ。  なんてそれらしいことを考えているふりをしながらも、ただただ「おいしー♪」と、ひらけた空にこころそよがせ、東京駅の駅舎の風情に情緒をおよがせ、ヌーヴェルエールで幸せをもぐもぐする時間を、愛しています。もぐもぐ。  こんな本を書いていますが、お粥と梅干しさえあればそれ以上何もなくても構わない。むしろお粥と梅干しが最高のごちそうなんじゃないかとすら、思っています。  本当です。  ◇興り  オーグードゥジュールは、もともと麹町でスタートしたフランス料理店でした。新丸の内ビルがオープンする際に二店目として幕を開けたのがヌーヴェルエールです。  ヌーヴェルエールとはフランス語で「新時代」という意味です。街場のレストランのDNAを引き継ぎ、今や同グループを牽引するフラッグシップレストランとなりました。     
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