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10分後
「さぁさぁ、皆さん準備はよろしいですか?」
「おうともさ!」
威勢のいい返事はオヤジのもの。
「〈Gardian 〉!」
俺の魔法によってバリア的な何かが5人を包み込むように展開する。
「…〈tumbler〉 」
倒れる系女子ルーの魔法。
『物を倒す』という魔法。
ただし、すでに倒れているものをさらに倒すことはできない。
この辺りに植生する、やたら長い木々。
そのうちの、対岸の一本とこちらがわの一本がルーの魔法によって根元から倒れはじめる。
「〈Sticky Sticky〉!!」
今回の主役、フィンガーの魔法はネバネバした何かを出す魔法。
交差するように倒れる二本の木が空中で交わったその瞬間、その接合部に白い物体が生じる。
白い物体は、そのまま接着剤の役割を果たして二本の木をひとつに繋げる。
「〈vibeless〉!」
一体となった木はそのまま地面に倒れる。
接地時に大きくたわむと思われたがオヤジの魔法によって不自然なくらい静かに着地する。
こうして、なにもなかった渓谷に一本の丸太がかかった。
構造的にとっても不安だけれど。
真ん中のあたりがなんかネバネバしてるけれど。
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